日曜の練習での「ディフェンス戻って!」という声に対して、「あのオフェンスじゃ戻れないよな~」と思った場面があった。ディフェンスは戻らないのではない。戻れなかったのだ。なぜなら、リズムの悪いオフェンスでターンオーバーになっていたからだ。

味方が入り込めないプレー

パスがうまくまわり、人やボールがよく動いている状態でのターンオーバーは戻りやすい。味方がそのプレーに入り込んでいるから。しかし、一人がドリブルで攻めてしまってパスが全然まわっていないとき、そこで不意にターンオーバーがおこったりシュートが外れたりすると戻りにくい。周りの味方がプレーに入り込むことができず「傍観者」になっているからだ。

じょーへパス

傍観者の味方は、「コートの中にいるのに外から見ている」ような感じになっている。だから頭では「ターンオーバーになったら戻らないといけない」「シュートがうたれたらオフェンスリバウンドに入らないといけない」とわかっていても、体がとっさに反応しづらい。そこを頑張って戻る・頑張ってリバウンドに入るようにしていくのが練習なわけだが(自分としては傍観者にならないように気をつけたいが)、オフェンスは「傍観者を作らない」ということも意識したい。

傍観者を作らない方法

傍観者を作らないために大切なのは、その味方を使ってあげることだ。パスを出すのが一番わかりやすいが、ボールを持たせなくてもスクリーンプレーで絡みをつくったり、名前を呼んで指示したりするだけでも十分に効果がある。自分がオフェンスに参加しているということを感じてもらえれば、その瞬間に傍観者ではなくなる。

傍観者は精神状態がネガティブになっていることも少なくない。「ノーマークなのにどうせパスはもらえない」「また勝手に攻めてる」「ボール持ちすぎなんだよ」「変なタイミングでシュートうつなよ」など。味方にそんなふうに思わせてしまうと能力を持っていたとしてもそれが十分に発揮されなくなるので、傍観者をつくらないようにできるだけボールはシェアしたほうがいいだろう。

味方のレベルに差があるときは特に注意

練習のゲームでは周りの選手はお構いなしに、ボールをもった選手が自分勝手にオフェンスしていた。他の味方の動きを待ったほうがいいような場面でシュートをうってしまったり、速攻でも1対2の状況でムリにつっこんだり。こういう合理性を欠くようなプレーには、他の味方も入り込むのが難しい。ほぼ確実に傍観者を生み出してしまうだろう。

また味方のレベルに差がある場合は、うまい選手に味方がついていけず傍観者になってしまうことが多い。得点することを考えるならうまい選手が攻めるのがもっとも効率が良いが、できればそれも何らかの形で他の味方を使いながらのほうが良いし、我々のようにプレイヤーのレベルに差があるような環境でバスケをする場合は、基本的にうまい人がそうでない人に合わせる形でパスを回したりシュートをうたせたりと、傍観者を作らない努力をしなければいけないだろう。

練習で「ドリブルじゃなくてパスで攻めよう」と言ったのは、傍観者をつくらないようにしたかったから。意識が離れてしまって「コートの中にいるのに外から見ているようなバスケ」になると、練習が一気につまらないものになるしディフェンスも戻れない。それは結局ボールを持ったプレイヤーにとってもデメリットになるから、ここは気をつけていきたいところだね。