最近のトマの上達は誰もが認めるところだろう。トマがなぜここまで急激に上達しているのか。それは、「身のほど知らず」と言われそうなことにも本気でトライしているからだ。

トマの最近の上達

例えばトマくらいのシュート力だったら、普通はゲームであそこまでスリーポイントシュートを打とうとは思わない。なぜならペイントエリアの一歩外のシュートも入らないし、そもそもスリーポイントも満足に届いていないから。でもトマはノーマークになったら迷いなくスリーポイントをうつ。しかも、これが大事なのだが、「入る前提」でうっている。残念ながら今はまだエアボールになることが多いけど、スリーポイントをバスバス決められる日がくるのもそう遠くはないだろうと思う。

トマのダブルクラッチ

ダブルクラッチもそうだ。トマくらいの技術レベルだったら、普通やろうという発想が出てこない。動きは遅いし、ジャンプ力も無いしから。でも、トマはチャレンジする。シュートが入る前提で、まだぎこちないダブルクラッチをする。今はまともにシュートをうてていないけど、きっとそのうち空中でディフェンスをかわしてシュートを決めるようになる。

部活動経験者がトマから学べること

ムリだとか身のほど知らずだと言われようが関係ない。トマは自分がかっこいいと思ったプレーをどんどん真似していくのだ。うまい人がやっているプレーを、自分も同じことができる前提でやっているのだ。それが、今の急激な上達につながっている。

トマはバスケ部出身ではないという点にも注目したい。部活動経験者であれば、様々な練習や試合を経験する中でなんとなく自分の限界を感じてきていると思う。それによって「これなら自分はできる。でもこれはできない」みたいな思い込みのようなものが作られてしまっている。また「こういうプレーをすべき」「こういうプレーはしてはいけない」というものが確立されてしまっているので、なかなか殻を破ることができない。やったことがないことでも「どうせできない」とか「どうせ使えない」と判断して挑戦しようとすらしない。

しかしトマは経験がないぶん、発想が自由だ。どんなことにも「大真面目に」挑戦していく。そしてなんとか実現しようと試行錯誤する。この姿勢からは、部活動経験者も学べるものがある。ビンスF沢にも似たようなものを感じていて、私もできるだけ思い込みが排除できるように意識している。

可能性は無限大

トマは「俺はできる子だ」と心の底から思っている(ポジティブナルシスト)。だからどんなことにも挑戦するし、できることが前提のような動きをする。イメージがすでに頭の中にできあがっているので、体が追いつくのは時間の問題だ。

しかし、すぐ「ムリだ」とか「できない」とか言ってやる前から諦めてしまう人もいる。どんなことでもとりあえずやってみて、やっぱりダメだった。でいいんじゃないか。その経験があるから「じゃあどうやったらできるだろうか?」という考えが生まれるんだし。

少し難しいことなら「やってみよう」と思えるけど、難しすぎることはやる前から「無理だ」と思ってしまいがち。しかし超特急で上達したいなら、あえて難しすぎることに挑戦してみるということも必要だ。「無理だ」と思ってしまいそうなことでも、大真面目にチャレンジする。そしてなんとか実現しようと試行錯誤してみる。その結果ムリだと思ったら、それはそれでしかたない。でもそこでの試行錯誤が、トマのような短期間での上達につながるはずだ。