機械的な動きがまだまだ多いです。機械的な動きっていうのは「インプットされている動きが再生されている」ような、同じような場面になるといつも同じ動きをしてしまうような、そういう動きです。代表的なのはイセの出戻り(バタバタするやつ)です。イセはドライブの一歩目に反応されると反射的にフロントチェンジをして反対を抜こうとしてしまいます。でもバレているので抜けません。
機械的な動きは途中で止まらない
機械的な動きは、いったん再生が始まると途中で止められません。我々としてはもう見飽きている部分もあるので途中で見るのをやめたいんですが、こちらの想いはお構いなしに最後まで再生されることがほとんどです。
動きを細かく見ていくとそういうのは誰にでもあったりするのですが、問題はその頻度なんです。例えばイセなんかはできることが少ないので、10回オフェンスやるとしたらそのうちの9回くらいはそれをやっちゃうわけです。そうすると「それさっきもやったじゃん!」「そればっかじゃん!」となる。10回中9回もやってたら誰でも見飽きますよね。
できることが多い人なら、さっきはあの動き、そして今度は違う動きと、動きのバリエーションで機械的な動きをしていたとしてもごまかしたりできます。いや、そもそもそういう人は「機械的な動きをしている」という印象をあまり受けない。我々もそうならないといけないです。
ディフェンスは守るのが楽です
機械的な動きの何が悪いかというと「ディフェンスの動きは関係なしにインプットされた動きをしてしまう」という点です。ディフェンスがまったく反応していないのにムダに機械的な動きをしてしまうパターンもけっこーあります。
ディフェンスとしては、そういうオフェンスは守るのが楽です。だって勝手にバタバタして、だいたいは勝手にミスってくれるから。途中で中止できないから、再生の途中でちょっかい出せば最後のほうでミスってくれるんです。
今までやったことのない新しい動きへの入りは機械的な動きでもいいんです。でも慣れたらそこはさっさと卒業して、ディフェンスに合わせた動きができるようにならなければいけない。それができなきゃ駆け引きで勝負できないです。
動きの引き出しを増やしていこう
機械的な動きをやめ柔軟に対応していけるよう、動きのバリエーション(動きの引き出し)を増やす意識で練習していきましょう。
動きのバリエーションがあまりなくて対応できる状況が少ないと、試合ではなかなか使いづらくなってしまいます。引き出しが少ない=持っているイメージが少ないとも言えますが、持っているイメージが少ない人にとって試合というのは、「次の場面を予想できない」という時間がずーっと続くわけです。そんな中で満足にプレーできるわけがないですよね。
そんなこともあるので、新しいことに挑戦するというのはとても大事なことなんです。ヤマザキが陸さんの見せた新しいプレーをみて興奮したのは、新しいプレーに挑戦することの重要性をヤマザキ自身も十分に理解しているからですね。