今回はべんぞうさんに記事を書いてもらいました。市民戦Aリーグ一回戦敗退。たどりついた市民戦Aクラスで、肌で感じた大きな力の差。そんな中見えたキラリと光る何か。「チーム」という集団の中で、どう振る舞えば自分という「個」が「活かせる」のか。とても大切な話をしてくれています。

実はもともとは今のポジションではなかった

高校時代のポジションは2番でした。最後の大会でとった得点の78%は3Pでした。今は見る影もありません。プレースタイルはこのチームにきて相当変わりました。というよりも、今のメンバーが主になってから、かなり変化させました。監督やリーダーは違うプレーをしていた頃を知ってるかもしれないね。まあ、今2番なんてのにこだわったら、確実にスタメン落ちでしょうが。リーダーやコービーかぶれには勝てませんから。じゃあなぜ自分がスタメンで、毎試合フルのプレイタイムを確保できるか。それは「隙間産業」の役割を誰よりも果たしているからに他ならないでしょう。

自分ができることを最大限にこなす

リーダー等の「大企業」は、豊富な資金力をもとに「隙間産業」に手を出すことも可能です。「大企業」が「隙間産業」の役割まで完ぺきにこなせれば理想でしょう。でも、「大企業」ばかりでは、摩擦が起きますし、時には「隙間産業」に特化した存在も必要です。良い「隙間産業」になるのは簡単です。豊富な資金力はいりません。資金力はなくとも、今持っている力で最大限できることをこなせばいいのです。そのことが、自分が市場の中で「生きる」場所を見つけることにつながります。

日曜は、大した資金力もないくせに無謀にも東証1部市場にデビューした企業がたくさんありました。そんな中、一瞬だけ登場した、明らかに市場内最貧の会社は、ちょっときらりと光る何かをみせていましたね。

やってきたことは間違いではなかった

長い道程を経てたどり着いたAの試合。能力的に通じない部分は多くあるけれど、自分のやっていることのいくつかも間違っていないと感じました。スクリーンアウトだったり、ボディコンタクトだったり、時にはちょっと汚い駆け引きだったり、あととにかく一生懸命走ることだったり。そんなところに目がいかない人には全く分からないでしょうが、やはり自分はチームにとって重要な「隙間産業」であることが再確認できた、実り多い敗戦でした。

ホーネットは、あくまで「チーム」です。いろいろな人が参加しています。それはそれでいい。でも、少なくともユニフォームを持っている人には、その意識をもってほしい。誰もがシュートを打ち、得点をたくさん取りたいのは当然です。が、自分が果たすべき、また果たすことができる役割を自覚している人が少しでも増えれば、チームは確実に強くなるでしょう。

そんなことを思った、記念すべき敗戦後。土曜の試合のことは、マジで忘れた。

今勝負できるところで勝負する

べんぞうさんは身長が高いわけではないのに、いつもインサイドで体を張ってくれています。リバウンドにも絶対に絡んでくれるし、キツイ時間帯でも走ってくれます。そういったプレーがチームに与えているプラスの影響って、かなり大きいと思っています。

やっぱりバスケは「シュートを決める」ことが一番カッコイイと思うし、シュートを決めるというプレーが一番気持ちのいいプレーだと思います。でも、そのシュートがうてる状況を作り出したり、そのシュートが外れた時のフォローをしたりと、どちらかといったらあまり目立たない、しかも疲れるからみんなあまりやりたがらないプレーを、べんぞうさんは「意識的に」やっているということです。

そういったプレーに、めちゃくちゃレベルの高い技術は必要でしょうか?もちろんある程度の技術は必要ですが、それよりも「やろうと思う気持ち」が大きく影響を与えるのではないでしょうか。誰でもやろうと思えばできる。でも面倒くさがって誰もやらない。そういったところをもっと頑張ってみようと、そういったところを頑張ってる奴は、試合に出てもキラリと光るものを見せることができると、そういうことですね。もちろん、いずれは自分がシュートを決める!と思う気持ちも大切です。でもチームという集団で居場所を作るために、シュートをうちまくることは一旦置いといて、今勝負できるところで勝負する。そういった考えが大切だということです。ぜひみんなで意識していきましょう。