どうも、リーダーです。先日の試合で「声をだすタイミング」について話しました。「声を出せ」「声の連絡が大事」とはよく言われるので、なんとなく「声をだすことが大事なんだろうな」くらいには思っているかもしれないですが、その声の出し方までは言及されることが少ないです。声は出すタイミングによっては意味が無いどころか、逆に状況を悪くしてしまうことすらあります。今回は、効果的な声の出し方について考えてみたいと思います。

スクリーンの時の声

例えば、スクリーンをかけられた時のディフェンスの受け渡しについての連絡。スイッチするのかファイトオーバーなのか声で連絡することになりますが、それを「いつするのか」というのが問題です。スクリーンをかけられて引っかかってしまったあとに、引っかかった人が「スイッチ!」と叫んでももう遅いわけです。その連絡の声を聞いてから対応しようとしても絶対に間に合いません。

声をかけるなら、引っかかる前に「引っかかったらスイッチ」などと連絡するべきです(ただしスクリーンの場合は、かかるかかからないかをスクリナーをマークしているディフェンスがしっかり観察しておき、連絡がなくても対応できるようにしなければいけない)。

スクリナーをマークしているときは、スクリーンがセットされてから「左スクリーン!」などと教えても遅いので、スクリナーがスクリーンをかけに行こうとしているタイミングで「スクリーンあるよ!」などと声をかけるのがいいでしょう。あらかじめスクリーンが来ることがわかれば、かわしやすいように位置をズラすなどの準備ができますから。

ヘルプディフェンスの声

自チームのディフェンスがマンツーマンディフェンスで、さらに自分がマークしているオフェンスが1対1に強い選手の場合は、マークマンがウイングの位置でボールを持った時点で「ヘルプ意識して」とか「カバーの準備して」という声を出して、他のディフェンスにヘルプの準備をしてもらうのが効果的です。うまくいけばディフェンスの反応を見たマークマンが1対1をやめてくれます。

自分がヘルプポジションにいるときは、自分よりも外側にいる味方のディフェンスに対して「カバーいるよ」とか「抜かせて大丈夫だよ」とか「左カバーオッケー」といった声をかけてやると、味方のディフェンスにかなり安心感を与えることができます。ヘルプポジションに移動して「抜かせろ抜かせろ」と声をかけると、その声を聞いたオフェンスが1対1をやめてくれることも多々あります。

オフェンス時のボールをもらう声

オフェンスのときについつい言ってしまうのが「ハイハイ」とボールを要求する声。この声を出すことでディフェンスに自分の位置と、そこにボールが移動することを知られてしまいます。出さなくてすむのなら出さないほうがいいし、仮に出すのであればかなり早いタイミングで、声による影響が少ない状況(声を出してもディフェンスが反応しない状況)でやらなければいけません。

あっこちゃん

この声はかなり高い確率でミスプレイにつながるので(声を聞いた味方が慌ててパスを出そうとするため、状況判断が不十分なパスが出てくる→カットされる・変な方向にパスが出る)、基本的には出さないほうがいいです。

パスアウトの声

例えば味方がディフェンスリバウンドを取ったとき、パスアウトさせるためにハイッ!と声を出すのは非常に有効です。リバウンドのときは周りを見る余裕がないこともあるため、ボールをキャッチしてから着地するまでのあいだや、ボールに触れる直前にハイッと声を出して自分の位置を知らせておくと、すぐにパスがもらえてオフェンスをスタートすることができます。

フェイクの声

パスを出す気がなくても「ハイポスト!」と言ったり、ただ他の味方の名前を呼んでみたりするだけで、ディフェンスの視線やあわよくば体を動かすことができます。巧く使うことができれば、声でフェイクができるということです。声だけなので疲れることもないし、名前を呼ばれた選手もプレーに参加している気になります。

ベンチの声

ベンチに座っている選手は、声を出すことでゲームに参加することができます。シュートが入ったらナイッシューと一律に声を出すよりは、冷静に声を出す場面と盛り上げる場面とでメリハリをつけたほうが声を出しているほうもプレーヤーも楽しめます。

ベンチメンバーの声は特に前半のディフェンス時に選手によく届くので、早めに声を出しておくことでリバウンド時のボックスアウトを意識させたりヘルプを意識させたりすることもできます。試合に出場していなくても、チームのためにやれることはあるということですね。

ということで、声の出し方の説明でした。ここに書いたもの以外にもいろいろな声の出し方はあると思いますが、どの場合も大切なのは「声を聞いてからの反応は遅い」ということです。声を出すときは、「早めに声を出して準備させる」ということを意識するといいでしょう。