ガルシア(NBA選手のほうではない)は高校で部活バスケをやってたわけじゃありません。先日開催したディフェンスクリニックも、私から教わるのが嫌だったらしく受けていません。でもガルシアは、ディフェンスの足の動きが他の人よりもかなり軽く、そして速いです。ディフェンスができている感が感じられる動きをします。

股関節が柔らかい

まず、ガルシアが他の人と決定的に違うところは、股関節がしっかり開いているということです。なかなか練習に来れずにレアキャラになってますが、今度参加した時にガルシアのディフェンスをよく見ててください。股関節がしっかり開き、上半身は起きています。前傾姿勢になんかなってません。そして、足の回転も非常に速いです。

一方ディフェンスの下手な人は、体がやけに前に傾いていて、足の回転が遅いです。足の回転が遅いっていうのは、足をつく回数が、足を動かす回数が少ないということですね。練習で見ていると、みんなびっくりするくらい足が動かないです。でも、本人は一生懸命動こうとしている。私も「動こうとしているのに動けていない」状態はよく分かります。

私たちはチビばかりなので、足は細かくたくさん動かさないと相手についていけません。それが全然できていない。でも、ガルシアはできてるってことです。

00

上半身の分離

あとは、上半身と下半身の動きがしっかり分離できている。これも大事だなと思います。ディフェンス練習をしたときに、最終的にコースに入ってドリブルをカットするという練習をしました。あれは相手のドリブルのリズムに合わせて手を動かさなければいけないのですが、できる人がとても少なかったです。

下半身が動くと上半身も力んでしまって、素早くカットの手が出せないという感じ。上半身は指ラックスさせたまま、ホントは下半身もリラックスさせたままだけど、力まないようにして相手が油断した瞬間に手を出すと。ガルシアはそれが自然にできています。

まるでボールベアリングローラー

ガルシアのディフェンスステップの最大の特徴は、「足の動きの軽さ」にあると思います。とにかく動きが軽いです。私を含めた他の人の動きは、まだまだ踏ん張って無理やりついていこうとしている要素が強いけど、ガルシアの足の動きには「踏ん張り」がほとんど感じられません。めちゃくちゃ軽く、しかもたくさん動いています。

私はガルシアの動きを見て、ミニ四駆のボールベアリングローラーが思い浮かびます。ノーマールローラーだと摩擦が大きて、指で回しても回転がすぐ止まっちゃうんです。でもボールベアリングのついたローラーだと、摩擦が小さくて指で回した時に数十秒間回り続ける。例えばノーマルローラーを10回転するためには10の力が必要だとすると、ボールベアリングなら1くらいの力でも10回転しちゃう。ガルシアの股関節は、そんなボールベアリングローラーのように摩擦が小さくて、動きがいいイメージです。

だから同じだけ動いた時の疲労度もまるで違います。ノーマルローラーの私たちは多くのエネルギーを無駄に消費してしまうので、めちゃくちゃ疲れてしまう。でもボールベアリングローラーのガルシアは、エネルギー効率がノーマルローラーとは比べ物にならないくらい良いので、疲れないってことはないけど疲れにくい。

股関節のやわからさが関係しているのは間違いないですが、あの動きの軽さは「部活をやってこなかったからこそ」のものかもしれないと最近は考えています。私たちは部活で無理やり踏ん張って動くステップをやり過ぎてしまい、その結果体をかためてしまっていたのかも。みんなでガルシアの動きを目指していきましょう!