ピピピピッ。どこに置かれているかもわからない目覚ましの音がうるさく鳴り響いた。何度も鳴っていたのには気づいていたが、私が止めるわけにもいかない。なぜならここは私の家ではないからだ。鳴っているその家の目覚まし時計を、客の私が勝手にとめるわけにはいかない。

目覚まし時計

しかし目覚ましはなかなか鳴り止まない。家主がまったく目覚ましに気づかないのだ。スヌーズ機能が炸裂し何度か鳴っては止まりを繰り返す目覚まし時計をようやく家主が止め、全員が起床したのは出発予定時刻の5分前のことだった。そう、私自身も寝坊していたのだった。

今日の試合は、9時に潟東体育館集合ということになっていた。昨日の時点で遅刻する気満々だったトマのことは気にする必要もなかったが、時間どおりに体育館に着くであろうOTKさんとミトを待たせてしまっては申し訳ない。寝ぐせの処理もそこそこに、急いでニセムラカワの家を出発した。

そして体育館へ

体育館に着いたのは9時10分だった。集合時間には遅刻していたが、会場設営にはなんとか間に合った。予想通り集合時間にしっかり到着していたOTKさんとミトと合流し、椅子をならべる。会場設営が終わるころには、集合時間から45分が経過していた。

試合開始(我々はオフィシャル担当)まであとわずかとなっても、まだトマ(とイズミとじょー)は到着しない。このままではオフィシャルがこなせない。慌ててじょーに電話すると、あと5分くらいで到着するとのこと。1時間の遅刻。全てはトマのせいだった。

ウコンの力

多少遅れるとは思っていたものの、迎えに来てくれるはずのトマが集合時間を30分過ぎても来ない。おまけに何度電話をかけてもでない。やっと起きたと思ったら朝から3回もゲーゲーして、結局じょーやイズミに運転させたらしい。得点板を担当したトマは終始うつむいていた。

試合

今回はSリーグの試合。10分止めの試合を2試合だ。相手はわれわれとスウェットのデザインが完全にかぶっているHOLESと、マリオ&ルイージのいる拓MAX。結果からいうと、どちらも約30点差で負けだった。

OTKさんパス

1試合目はホールズ。しかし今回はHOLESのメンバーが1人しかいなかったので、ほぼ助っ人チーム。こちらのメンバーは私、OTKさん、ニセムラカワ、トマ、ミト、イズミ、じょーの7人。OTKさんとミトは初のHORNETでの対外試合。

ディフェンスするみんな

当初の予定通りトマをスタメンに起用し、ファーストシュートをたくすことをベンチで話し合う。しかし、相手のディフェンスになす術のない二日酔いトマ。結局ファーストシュートはじょーがうった。

パスを出すトマ

TURNOVERのうまいガードの人&でかいセンターの人が全然止められず、そして大塚商会と書かれたユニフォームを着た人にバスバスとスリーポイントを決められて点差は広がっていく。我々もなんとかついていこうとするが、自力の差がありすぎて72-97で負け。72点取ったのはいいせんいっていたが、いかんせん守れなかった。

ちなみにこの試合はOTKさんが5ファウルで退場した。しかも5つ目のファウルはアンスポだった。期待に応える漢(オトコ)、OTK。

72-97のスコア

2試合目は拓MAX。べんぞうさん、チノさん、イノケンが加わり、10人で試合に臨んだ。

審判をするOTKさん

このゲームは中学生対大人みたいな試合になった。運動量に決定的な差があり、いいようにやられてしまった。しっかり練習しているチーム相手に、二日酔いのトマが太刀打ちできるはずもない。相手のほうが三枚くらいウワテで30点差くらいで負けた。

審判をするOTKさん2

試合の反省

会場の片付けが終わってからは、夜の練習までマックで時間をつぶすことにした。その道中でじょーと試合の反省会。

攻め手がなかった。私かじょーの個人技でしか攻められないような状況だった。他の選手も得点する機会はあったが、それは私やじょーが攻めた結果の得点であることが多く、その人自身の力でディフェンスを崩すことができていなかった。他のチームを見ると、どのポジションからでもチャンスメイクしている。選手一人ひとりが相手にとっての脅威となっている。そういうふうにならないと、なかなか厳しい。我々としてはできればじょーにシュートをうたせたいので、じょーが崩すのではなく、誰かが崩した結果じょーがうてるようにしたい。

そしてザルディフェンス。ディフェンスができないという現実を突きつけられた。OTKさん指導のもと、もっとタイトなディフェンスができるように練習していかなければいけない。「タイト」がキーワードだ。他のチームのディフェンスはどこもタイトだった。

隣の試合を見ているみんな

そんな話をしていたら、あっという間にマックに到着。150円になっていたてりやきマックバーガーを食べ、同じく150円になっていたポテトを食べ、そしてあまりの眠気に「ニセムラカワの膝でもいいから枕にしたい」と思ってしまいながら時間をつぶした。

夜の練習

体育館についた。眠かった。とにかく眠かったので、寝た。30分くらいは横になっていただろうか。よだれをたらしていたことに気づきハッと顔を上げると、もう結構人が集まっていた。じょーはまだ寝ていた。

前回練習に参加したときにジョーダン11Lowのソールがベリッと剥がれてしまっていた番Bが新しいバッシュを履いてきた。ジョーダン1のLowカット。黒地にカラフルな糸が使われてるやつだ。ジョーダン1の構造なら、やつの超重量級な動きにも耐えられるだろう。

JORDAN 1 Low(ジョーダン1ローカット)

そういえば昼間の試合会場にはマツさんが助っ人として来ていた。とくに呼んでもいないのに上にいた私たちのところにやってきて、バッシュを自慢していった。リーボックのZig Pro Futureというやつだ。リーボックのZIGTECH(ジグテック)のデザインは斬新。このバッシュを履いている人を、マツさん以外でまだ見たことがない。

Zig Pro Future

さて、練習の内容は・・・散々だった。疲れすぎて判断がにぶり、トマがいつにも増してミスりまくっていた。全体としてもディフェンスはボロボロ。オフェンスも適当。疲れて頭が働いていない状態だ。さっき反省したのはいったいなんだったのか・・・。じょーはキレのある動きをしていたが、さすがに終盤には足がつりそうになっていた。試合に来れないけど練習には来れる人が何人かいたので練習アリにしたが、「休みにすればよかったかも」と少し後悔した。

エピローグ ~痛みと脱力~

13日(日)の試合は手に痛みがあった。指を動かしたり手首を曲げたりするとズキッと痛む。まともにボールを押し出すことができないので、シュートにもドリブルにもパスにも大きな影響が出る痛みだった。

予兆はあった。これまでにも何度か経験してきた痛みで(しかし原因は不明)、試合の前日ニセムラカワの家に行った時点で手が痛くなりそうだった。「これはやばいパターンだ」とニセムラカワに話していたところ、次の日やっぱり手が痛くなってしまった。

ウォームアップはすべて、痛くない左手でやった。しかし試合ではなんとかして右手でシュートを打たなければいけない。試合直前のシューティングで「力を入れると痛む」ことを発見したので、思い切って力を抜いてみた。そうしたら痛みが少なくなり、なんとかシュートはうつことができた。

ここで、今まで肩が動いていなかったことに気づく。手首から先は力をいれることができないので、必然的に肩を動かさなければいけない状況になった。そのおかげで肩が固まっていたことを自覚できた。手首から先の力を抜き、肩ではなつシュートは非常に良い感じで、試合でもシュートを決めることができた。

夜の練習。足は疲労している。足首に少し痛みもある。しかし、その状態でもある程度動くことができた。昼間の発見が役に立っていた。ここでも意識したのは「力を抜く」ことだ。今まで足が疲労しているときは「力を入れて」動こうとすることが多かったが、できるだけ力を抜いて力(りき)まないように動いたほうが圧倒的に感触がよかった。筋肉が温まってくれば、疲労してはいるもののそれなりに動けるようになる。新しい感覚だった。

バックドア

試合でボコられたのは悔しかったが、気づいたことはたくさんあった。試合の前日に飲み会をしてはいけない。特にトマに飲ませてはいけないのだった。