久しぶりに練習に来たa.k.a.菅平にシュートを教えました。菅平といえば、白いTシャツにハーフパンツ、おまけに体育館シューズで練習にやってきたという、伝説の素人です。素人なので、当然パスもドリブルもできません。シュートも、ザ・素人という感じのシュート。このままではゲームも十分に楽しめないだろうということで、シュートのコツをいくつか教えました。

体を縮めることを意識する

いろいろ教えた中で特に意識させたのは「体を縮めること」です。なんでシュートがうまくいかないかというと、体が伸びきって力を入れたいところに入らない状態になっているからなんです。なので、体を縮めることを意識して、力が入る状態を作る。それだけで格段に良くなりました。

伸びきってるとやっぱり全然止まれないですよ。止まれないと床を押す力とかが使えなくて、上半身に頼ったシュートになってしまう。力が弱い人がそういうシュートをうつと、へなちょこシュートになっちゃうわけです。今回の練習で、だいぶへなちょこが改善されました。

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手首の使い方

あとは手首の使い方ですね。明らかに手首に力が入り過ぎだったので、手首の力を抜くように言いました。「シュートが飛ばないじゃん」と言っていましたが、手首の力を抜く分、全身を使ってボールを飛ばすということを教えて、キャッチ、セット、リリースでそれぞれ姿勢と動きをチェック。リズムよくシュートがうてるようになると、だいぶ経験者に近い感じになってきました。

手首の力が抜けたことでボールをコントロールする感覚が少し掴めたようで、「適当にリング方向に投げるだけ」だったシュートが、「リングを狙ってうつ」シュートに変わったような印象。たぶん練習しないとすぐ戻っちゃうので、あとは打ち込みが必要ですね。

素直さ

教えたのはちょっとしたことです。でも、それで見違えるように良くなる。なんでそういうことになるのかというと、菅平が言われたことをそのまま素直に実行するからです。これは伝説の素人である菅平だからこそできることなのかもしれません。経験者は自分のシュートにこだわりを持っていて、アドバイスを素直に聞き入れることができない、という側面もありますから。

菅平は、手首の力を抜けと言ったら本当に抜いてしまうんです。完全に抜いたらシュート飛ばないですよ。でも完全に抜いちゃうんです。そうやって言ったことをそのまま実行するので、私も「あ、今の言い方だと不十分だったな」ということがわかって、もう少し詳しく説明できます。すると、またそれをそのままやってくれるわけですね。

そういうことを繰り返していると、すぐに目に見える「変化」が起こります。それで本人もうまくなったという実感が持てるし、喜んでいる菅平を見ると私も嬉しくなるという、まさにwin-win。大変教えがいがあります。

シュートはうつなら決めなければいけない

バスケで最も大事なスキルは何か?私なら「それはシュートだ」と答えます。その理由は、「最後はシュートを決めなければ勝てないから」ではなくて(もちろんそれはそうだけど)、「自分がシュートをうつ」ということは、「他の味方がシュートをうてなくなる」ことだからです。

誰だって、自分がシュートをうちたい、自分がシュートを決めたいという想いを持っていると思います。でも1回のオフェンスでシュートがうてるのは、コートに立っている5人の選手のうちの一人だけです。もしそのシュートを自分がうつという場合、他の選手がシュートをうつ機会を奪うことになります。他の人もシュートがうちたいのに、自分がうってしまう。それならせめて決めなければいけない。そう思うわけです。

だから、シュートうつ人ははずしちゃダメだし、外すような(外れる確率が高いような)シュートをうってしまうようではいけません。他の味方が納得してくれませんよね。だったらパスしろよっていう話になりますから。うつなら外さないようにうつ。そういうシュートがうてるように練習していく。菅平の場合はまだそのレベルには到達していないけど、私たち部活動経験者はそういうところも考えていきたいなーと思っています。